ギメルリングの由来や魅力とアレンジ豊富なデザインについて2025.08.16
2本のリングが絡み合い、一つの指輪になったギメルリング。
おしゃれな形と、アレンジの豊富さで、他の人と被らない、自分たちらしいデザインをお探しの方に人気の結婚指輪です。
今回は、そもそもギメルリングとは何か、鶴のギメルリングの特徴やこだわりをご紹介いたします。
1.ギメルリングとは
ギメルリングとは、2本の指輪が知恵の輪のように繋がり、重ね合わせると1つの形になる指輪のことをいいます。
あまり見ない形なので、新しいデザインのように思われるかもしれませんが、その歴史は古く、古代ローマ帝国時代まで遡ります。
「Gimmel (ギメル)」という言葉は、「双子」を意味する、ラテン語の「germellus(ゲメルス)」に由来しています。
ぴったりと重なるように、繊細な職人技でまったく同じ形に仕上げられた2本の指輪は、まさに双子のようです。もともと、ギメルリングは婚約指輪として使用されていました。
婚約期間中は2本を1本ずつに分けて、それぞれが大切に身につけ、結婚式を迎えると、重ね合わせて1本の指輪として花嫁が身につけたそうです。
16〜17世紀にはヨーロッパで結婚指輪として流行し、ふたりの堅い絆を象徴するデザインとして今日まで長く愛されてきました。
指に着けている時やリング差しに差し込んでいる状態では一見普通の指輪と変わりなく見えますが、全く同じ2つのリングでつくられていることから写真のように2つに離れます。
2.鶴でお作りするギメルリングのこだわり
鶴のギメルリングは、2本の指輪が柔らかな線を描き、絡み合っているのが特徴です。
「ふたりが一つの夫婦(家族)になる」というイメージをデザインに込めました。
平行に並んでいた2本の指輪が、中央で交わるデザインは、これまで別々の道を歩んできたふたりが、縁を結んで、これから共に歩んでいく様子を表しています。
ふたつの指輪が一生離れることなくひとつに重なる様から、私たちの結婚指輪のデザインの中でも人気が高い指輪です。
一見すると、インパクトのあるデザインだと感じられるかもしれませんが、実際に指にはめてみると、その自然な印象と着けやすさに皆さま驚かれます。
これは、手に馴染むように緻密に設計されたデザインと、職人の繊細な手仕事によるものです。一般的な指輪に比べて、ギメルリングの製作はとても複雑で手間を要します。
まず、同じ形に鋳造された2本のリングを用意します。この時点では、2本は独立した状態。
片方の輪に僅かな隙間をあけて、もう一方を差し込み、隙間の断面を溶接することで、繋がったひとつの指輪になります。しかし、ただ組み立てるだけでは、完成形のようなぴったりと重なる印象にはなりません。
繋げる前に、完璧に組み合わさるよう、慎重にそれぞれの形を整え、繋げた後には、その形を崩さないように、サイズや幅の調整、仕上げという磨きの作業を行います。
少しでも形が狂ってしまうと2本の間に隙間があいてしまい、見た目だけでなくつけ心地にも影響してしまうため、全ての行程で細心の注意を払い続けなければなりません。
ギメルリングを取り扱っているブランドは、多くは無いですがいくつかある中で、私たち鶴のギメルリングは徹底的にフォルムこだわってデザインしています。
ギメルリングはひねりを加えることにより2つのリングがが綺麗に重なるよう設計されていますが、このひねり具合と2つの重なりをいかにスムーズに美しく合わせられるかがが完成度に大きく影響してきます。
加えて、ストレートの部分とひねり部分の全体のフォルムが、指に着けた際に引っかかりなく馴染むかも徹底的に追及してデザインしました。
よって、デザインだけでなく着け心地においても非常に満足度の高い指輪になるようにつくり込んでいます。
鶴では、日本製にこだわり、職人がひとつひとつ手作業でお作りしています。
工房が併設している代官山アトリエでは、職人の仕事を間近で見ることができ、集中して行われるその繊細な作業は、こちらまで息を呑んでしまうほどです。
熟練の職人技で大切につくられたギメルリングは、一生ものに相応しい美しさと、着けやすさを兼ねそろえた指輪となり、おふたりのお手元で輝いてくれます。
3.アレンジ豊富なギメルリング
私たち鶴では既製品ではなく、オーダーメイドで1つ1つ結婚指輪をおつくりさせていただいておりますので、おふたりの好みの要素を詰め込んで「おふたりらしい」指輪をお作りすることができます。
■デザイン詳細
そんな中、ギメルリングは2本のリングが重なって1つのリングになっていることから、通常の結婚指輪に比べてアレンジできることが2倍になりますのでバリエーションが豊富です。
2つの素材を組み合わせたり、テクスチャーを変えたり、幅を調整したり、石をお好みの位置に留めたりと様々な要素で、「自分らしさ」「おふたりらしさ」を表現することができます。
お二人で全く同じデザインにすることもできますし、それぞれがお好きな印象にアレンジされても素敵です。
100種類以上あるサンプルリングを手に取りながら、ひとつひとつデザインを決めていく時間も、おふたりにとって大切な思い出になることかと思います。
ここでは、実際にどのようなアレンジができるのかご紹介いたします。
地金(色)の組み合わせを選ぶことができる
先ほどもお伝えした通り、ギメルリングは2本のリングがらつくられているので、リングの地金(色)をそれぞれ選ぶことができます。
それぞれ違う素材(色)からつくられるリングを「コンビリング」や「コンビネーションリング」と言います。
鶴では4種類の地金をご用意しておりますので、そちらの色味から2色の組み合わせをお選びいただくことができます。
(左からプラチナ・ホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールド)
プラチナのお色味をベースに差し色として違うお色味を入れるのも素敵ですし、「イエローゴールド×ホワイトゴールド」や「ピンクゴールド×ホワイトゴールド」といったゴールドの組み合わせ等、様々な合わせ方で楽しむことができます。
もちろん同じお色味でお仕立てしたギメルリングも統一感があり素敵です。
■デザイン詳細
同色にするとまとまりがあり落ち着いた印象の中にも、こだわりが感じられる結婚指輪になります。
幅のアレンジができる
2本のリングからつくられていることから太幅になってしまい、手の小さい方や主張しすぎない指輪を好む方にとっては身に着けづらかったギメルリングですが、私たちのギメルリングは多くの人が身に着けやすいよう、幅のアレンジもできるようにしています。
■デザイン詳細(左:4.5mm / 右:3.0mm)
こちらは男性様と女性様で幅の違いを出した結婚指輪です。幅の違いによって印象やすっきりさが変わってきます。
加えて、同じ幅のギメルリングでも側面をフラットにするか、丸みを出すかで印象がまた違ってきます。
どちらも3.0mmの幅のギメルリングです。左側がフラットなフォルム、右側が角を落とした丸みのあるフォルムに仕上げています。丸みのある右側のほうが幅が細く見える視覚効果があり優しい印象をもたせてくれます。
幅やフォルムの印象は、写真で見るのと実際に身に着けてみるのとでは印象が変わってきますので、実際に試着していただきながらおふたりの「好き」を見つけて頂ければと思います。
メレダイヤや色石を留めることができる
ギメルリング中心部分にメレダイヤや色石を留めて華やかさをプラスするアレンジをも人気です。
こちらは女性様のリングのプラチナ側中心に3pcメレダイヤをお留しています。
■デザイン詳細
初めは「ダイヤは入れなくていいかな、、、」とおっしゃっていたお客様も、実際に見てみると、「ダイヤあった方がいいかも!」と気に入られる方も多くいらっしゃいます。
「ダイヤを留めると派手さが増すので日常着け続ける指輪としてはどうなんだろう、、、」
と思われる方が多いと思いますが、小さなメレダイヤは実際に着けてみるとそこまで主張することなく、さりげない輝きですので、華やかさをさりげなく取り入れたい方にはおすすめです。
お次は中心にメレダイヤを6pc留めたデザインです。
■デザイン詳細
こちらは、コンビリングではなく、イエローゴールドの同色でおつくりしたギメルリングです。
同色な分、メレダイヤの個数を増やして華やかさを際立たせました。キラキラと輝くダイヤモンドと、統一感のある色味で結婚指輪らしい輝きを放ってくれています。
また、ダイヤだけでなく色石を留める事もできます。
お気に入りの石や思い入れのある石、また、お相手様の誕生石などを入れてみるのも他とは違うおふたりだけの結婚指輪のアクセントになりますね。
テクスチャーのアレンジができる
私たちの結婚指輪のオーダーメイドでは、指輪の表面に施すテクスチャーを数多くご用意しております。このテクスチャーの多さも、多数のお客様から喜ばれる私たちの特徴の1つでもあります。
ギメルリングは2本のリングを重ねているデザインだからこそ、テクスチャーのアレンジ、組み合わせもおふたりのお好み次第です。
例えば、1本は結婚指輪らしく輝きのある仕上げを施し、もう1本はマット加工を入れて落ち着きを出してみたり、2本ともマット加工を入れることで指馴染みの良いデザインにしてみたりと、アレンジの組み合わせパターンがとにかく豊富です。
具体的にアレンジ例をご紹介いたします。
鏡面仕上げ+梨地細のアレンジ
こちらは、鏡面仕上げのリングに、艶っぽい中にも深い印象があるマット加工を組み合わせカジュアルで落ち着いた雰囲気の結婚指輪です。
加えて、先程ご紹介させていただいたように、角を丸めたフォルムのため、さらに柔らかく指馴染みの良い仕上がりになっています。
■デザイン詳細
マット+錆加工のアレンジ
こちらは私たちが数多くご用意しているマット加工の中でも輝きのあるマット加工で「錆(さび)」といいます。
結婚指輪らしさも指馴染みも良いアレンジ例です。2色づかいでありながら落ち着いた雰囲気のこだわりあるおしゃれな結婚指輪です。
■デザイン詳細
4.ギメルリングのアレンジ例の紹介
実際にお客様にお任せいただいたギメルリングの結婚指輪をいくつかご紹介いたします。
色違いのデザイン
それぞれお好みの色で作成されたギメルリング。お二人とも片側に、和紙のような独特な風合いの「錆」というマット加工を施しています。
丸みのある「平甲丸」という形でお作りしたので、あじわいのある「錆」と組み合わさり、柔らかで優しい印象の指輪に仕上がりました。
■デザイン詳細
ワンポイントでダイヤモンドを留めたデザイン
ダイヤモンドを1石留めたデザイン。男性と女性のリングを上下に重ねると、石が向き合うように対角線上に留まっているのも素敵です。
男性はすっきりとした印象の「ヘアライン」、女性は縦線の煌めきが美しい「サテン荒(縦)」というマット加工を片側におかけしており、質感の差も楽しむことができるデザインです。
■デザイン詳細
ぬくもりのある「木彫り」を入れたデザイン
おふたりともにイエローゴールドの部分に「木の彫り」という、木の幹のような模様が美しい彫りの加工を施しました。
プラチナの部分には「錆」のテクスチャーを取り入れ、ぬくもりを感じられるこだわりの詰まったデザインです。
■デザイン詳細
5.まとめ
今回はギメルリングとは何か、鶴のギメルリングの特徴やこだわりをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
伝統があり、結婚指輪にふさわしい素敵な意味合いが込められたギメルリング。お好みの要素を組み合わせた、他の人と被らないおふたりだけのギメルリングはきっと特別な指輪になると思います。
結婚指輪は、これからのおふたりの生活に寄り添う大切な愛の証です。その結婚指輪をつくらせて頂くことに大きな責任があると私たちは考えています。
よって、デザインだけでなく着け心地にもこだわった、心からご満足いただける結婚指輪が完成するよう、精一杯のお手伝いがしたいと私たちは考えています。
おふたりの手元でいつまでも光り輝く、「おふたりらしい」「おふたりだけの」結婚指輪つくりのお手伝いを私たちにさせて頂けると嬉しいです。
アトリエでおふたりにお会いできること、心より楽しみにお待ちしています。